夢のからくり

雑記など

逆境戦隊バツ「×」1〜2

逆境戦隊バツ「×」〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

逆境戦隊バツ「×」〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

逆境戦隊バツ「×」〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

逆境戦隊バツ「×」〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

 劣等感の力によりヒーローに変身して怪物と戦うオタク・サド・デブの話。
 ただの戦隊もののパロディかと思ったら涙あり笑ありの熱血ストーリーだった。4話のサブタイでもある「ただ愛のために」なんて歯が浮くようなセリフもしっくりくるような最後の熱い展開や、意外にしっかりしていたSF設定などもあり読み応えもあった。普通なにか力を手に入れた平凡(もしくはそれ以下)な主人公は、それにより自信を得て成長していくのが王道なのに、自分の劣等感が力の源であるためそうすることができないというジレンマなどもあって、他の作品と一線隔していたと思う。確かに、急に誰かに与えられたかりそめの力によって自分に自信を持つ、っていうのも変な話なのかもしれない。
 ちなみにSF設定の方はあざの耕平の「Dクラッカーズ」を思わせた。こちらもかなり熱くておもしろい話。