夢のからくり

雑記など

.hack//G.U. Vol.1〜4

 プレイ中に意識を失った想い人を救うため、ネットゲーム「TheWorld」の世界で戦う話。ゲームのノベライズでは無く、イメージボードを元にした小説なので、ゲームとは内容が異なるらしい。
 登場人物のほとんどがネット廃人&トラウマ持ちで、全体的にネガティブな雰囲気だった。しかし、そのトラウマである欠落を補うために、犠牲を厭わずガムシャラに頑張る主人公たちの気迫となさけなさが伝わってきた。周りから見ればただのゲームなんだけれど、主人公たちには間違いなくそこはもう一つの世界で、そこで理想でしかないキャラクターを演じながらも、紛れの無い本心でぶつかり合っていたのだろなぁと。主人公たちは結局みんな欠けたもの自体を手に入れることは出来なかったけれど、それぞれがその失敗を受け入れることで、一応前向きな終わり方で良かった。
 最終的には心理学やら仏教やらを持ち出してくるなど、最後のあたりは小難しい話という印象しか残らなかったのが残念。そしてこの話を本当に楽しむには既存の「.hack」シリーズをある程度は知っといた方が良いと思う。「.hack//SIGN」(アニメ)と第一期ゲームの四部作ぐらいは最低限。「.hack//Liminality」(OVA)「.hack//AI buster 」(小説)も必須。